賃上げ促進税制と設備投資減税|中小企業が令和9年3月までに使える法人税の税額控除まとめ(法人・経営者の方へ)

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賃上げ促進税制と設備投資減税|中小企業が令和9年3月までに使える法人税の税額控除まとめ

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税理士 田澤壱高

青森市を中心に活動する、ひとり税理士です。 クラウド会計・オンラインでのやり取りを基本とし、 記帳や資料管理の手間をできるだけ減らすことを大切にしています。 完全なペーパーレス運用を目指しながら、 経営判断に集中できる環境づくりを支援します。

「賃上げをしたら税金が安くなると聞いたけれど、うちの会社でも使えるのだろうか」「設備投資の減税は種類が多くて、どれを選べばいいのか分からない」。中小企業の経営者の方から、よくいただくご相談です。中小企業向けの賃上げ促進税制は、令和9年3月31日までに開始する事業年度まで使える一方、令和8年度税制改正で内容が一部変わりました。この記事では、賃上げ促進税制の要件と控除率、令和8年度改正の変更点、あわせて検討したい設備投資減税まで、国税庁・財務省・中小企業庁の一次情報をもとに整理します。

賃上げ促進税制とは?中小企業向けは令和9年3月末まで継続【大企業・中堅企業は廃止へ】

賃上げ促進税制は、従業員の給与を前年度より増やした会社の法人税を軽くする制度です。まずは制度の全体像と、「誰が・いつまで使えるのか」を確認しましょう。

賃上げ促進税制とは?給与の増加額の一部を法人税額から差し引ける制度

賃上げ促進税制は、正式には「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」といいます。前年度と比べて従業員への給与等の支給額を一定割合以上増やした場合に、増やした金額の一部(中小企業では最大35%)を、その年度の法人税額から直接差し引ける制度です。

所得控除ではなく「税額控除」なので、節税効果がそのまま納税額の減少につながるのが特徴です。賃上げの原資を作りたい中小企業にとって、優先的に検討したい制度といえます。

大企業向けは令和8年3月末で廃止・中堅企業向けは令和9年3月末まで

賃上げ促進税制には、企業規模に応じて3つの区分があります。令和8年度税制改正で、この区分ごとの扱いが大きく分かれました。

区分対象現在の状況
全法人向け(大企業向け)すべての青色申告法人令和8年3月31日をもって廃止
中堅企業向け常時使用する従業員数2,000人以下賃上げ要件が4%以上に引き上げ。適用期限(令和9年3月31日)の到来をもって廃止
中小企業向け資本金1億円以下など令和9年3月31日までに開始する各事業年度まで継続

大企業向けの措置はすでに終了し、中堅企業向けも廃止の期限が決まっています。一方、中小企業向けの措置は継続しており、この記事では中小企業向けを中心に解説します。なお、賃上げ税制を含む令和8年度税制改正の全体像は、こちらの記事で立場別にまとめています。

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中小企業向けの対象は資本金1億円以下または従業員1,000人以下

中小企業向けの賃上げ促進税制(中小企業者等における賃上げ促進税制)を使えるのは、青色申告書を提出している次のような事業者です。

中小企業向け措置の主な対象者

  • 資本金または出資金の額が1億円以下の法人(大規模法人に発行済株式の一定割合以上を保有されている法人などを除く)
  • 資本金・出資金を有しない法人のうち、常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
  • 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人事業主
  • 協同組合等

適用できる期間は、令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度です。たとえば3月決算の会社なら令和8年4月に始まる事業年度(令和9年3月期)まで、12月決算の会社なら令和9年1月に始まる事業年度(令和9年12月期)までが対象になります。

税理士田澤
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「うちは対象になるのか」という段階で迷われる方が多いです。資本金1億円以下でも、大企業の子会社などは対象外になるケースがあります。判定に不安があれば、決算前に一度ご確認ください。

中小企業向け賃上げ促進税制の要件と控除率|給与1.5%増で15%・2.5%増で30%

次に、中小企業向け賃上げ促進税制の具体的な要件と控除率を見ていきます。令和8年4月1日以後に開始する事業年度に適用される内容です。

基本要件|給与総額が前年度比1.5%以上の増加で増加額の15%を税額控除

基本の要件はシンプルで、国内の従業員全体に支払った給与等の総額(雇用者給与等支給額)が、前年度と比べて1.5%以上増えていることです。要件を満たすと、増加額の15%をその年度の法人税額から控除できます。

賃上げというと「ベースアップ」をイメージしがちですが、判定は給与総額で行います。昇給だけでなく、賞与の増額や人員の増加によって総額が増えた場合も対象になり得ます。

上乗せ措置|給与2.5%以上の増加で30%・くるみん/えるぼし認定で+5%

基本の15%に加えて、次の上乗せ措置があります。

要件税額控除率
給与等支給額が前年度比1.5%以上増加(基本)増加額の15%
給与等支給額が前年度比2.5%以上増加15%を上乗せ(合計30%)
くるみん・えるぼし(二段階目以上)などの認定を取得5%を上乗せ

すべて満たした場合の最大控除率は35%です。くるみんは子育てサポート企業、えるぼしは女性活躍推進に関する厚生労働大臣の認定で、適用事業年度中に認定を取得した場合などが対象です。

控除上限は法人税額の20%|計算例でイメージをつかむ

税額控除には上限があり、その事業年度の調整前法人税額の20%までです。簡単な例で確認しましょう(単純化した概算です)。

計算例(給与総額2,000万円→2,060万円・3%増の場合)

  • 給与等支給額の増加額:60万円(増加率3%≧2.5%)
  • 税額控除額:60万円 × 30% = 18万円
  • その年度の法人税額が150万円なら、上限は150万円 × 20% = 30万円
  • 18万円 ≦ 30万円 なので、18万円全額を控除できる

このケースでは、60万円の賃上げに対して18万円の法人税が軽減されます。賃上げの負担がそのまま軽くなるわけではありませんが、実質的な負担を抑えながら従業員に還元できる仕組みです。

役員報酬は対象外|役員だけのマイクロ法人は使えない点に注意

対象になる給与は「国内雇用者」、つまり従業員に支払う給与です。役員に支払う役員報酬や、役員の親族など特殊関係者への給与は、賃上げ促進税制の対象になりません

そのため、役員1人だけで従業員のいないマイクロ法人・一人社長の会社では、役員報酬をいくら増やしてもこの制度は使えません。従業員を雇用している(または雇用を検討している)会社のための制度、と押さえておいてください。

税理士田澤
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「賃上げしたのに控除の申告を忘れていた」というケースが実は少なくありません。この制度は確定申告のときに適用を選択する必要があります。賃上げした年度は、決算・申告前に必ず要件を確認しましょう。

賃上げ促進税制の令和8年度改正|教育訓練費の上乗せ廃止で最大控除率は35%に

令和8年度税制改正で、賃上げ促進税制は中小企業向けにも変更がありました。ここでは「何が変わって、いつから適用されるのか」を整理します。

教育訓練費の上乗せ+10%が廃止|中小企業の最大控除率は45%から35%へ

改正前の中小企業向け措置には、教育訓練費(研修費用など)を前年度比5%以上増やした場合に税額控除率を10%上乗せできる措置があり、最大控除率は45%でした。令和8年度改正で、この教育訓練費に係る上乗せ措置が廃止され、中小企業向けの最大控除率は35%になりました

財務省の「令和8年度税制改正の大綱」では、中小企業者等に係る措置について「教育訓練費に係る上乗せ措置は、廃止する」と明記されています。教育訓練費の上乗せを毎年使ってきた会社では、控除額が従来より小さくなる可能性があります。

いつから適用?令和8年4月1日以後に開始する事業年度から

国税庁の「令和8年度 法人税関係法令の改正の概要」によると、この改正は令和8年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税から適用されます。適用されるルールは「事業年度の開始日」で判定します。決算期によって改正前・改正後のどちらの制度が適用されるかが変わる点にご注意ください

事業年度の開始日適用される制度教育訓練費の上乗せ
令和8年3月31日以前に開始改正前の制度あり(+10%・最大45%)
令和8年4月1日以後に開始改正後の制度なし(最大35%)

たとえば12月決算の会社の令和8年12月期(令和8年1月開始)は改正前の制度、令和9年12月期(令和9年1月開始)は改正後の制度が適用されます。なお、個人事業主については令和9年分が改正後の制度の対象です。

大企業・中堅企業向けの改正もおさらい

中小企業以外の区分では、より大きな見直しがありました。全法人向け(大企業向け)の措置は令和8年3月31日をもって廃止。中堅企業向け(従業員数2,000人以下)の措置は、継続雇用者の給与の増加割合が4%以上(改正前は3%以上)に要件が引き上げられたうえで、令和9年3月31日の適用期限をもって廃止されます。

グループ会社に大企業・中堅企業がある場合や、会社の成長によって従業員数が増えてきた場合は、自社がどの区分に当たるかもあわせて確認しておきましょう。

税理士田澤
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「教育訓練費の上乗せがなくなったなら、研修をやる意味が減ったのでは」と聞かれることがありますが、控除の上乗せがなくなっただけで、教育訓練費が経費(損金)になることは変わりません。人材投資の判断は税制だけで決めないことが大切です。

赤字でも無駄にしない|中小企業向け賃上げ促進税制の繰越控除(5年間)の使い方

賃上げ促進税制は法人税額から控除する仕組みのため、「赤字の年に賃上げしても意味がない」と思われがちです。しかし中小企業向けには、控除しきれなかった金額を翌年度以降に繰り越せる特例があります。

控除しきれない金額は5年間繰り越せる|中小企業向けだけの特例

赤字で法人税額がない年度や、法人税額の20%の上限にかかって控除しきれなかった金額は、翌事業年度以降、最長5年間繰り越すことができます。この繰越控除は中小企業向けの措置だけに認められた特例です。

賃上げした年度が赤字でも、要件を満たしていれば控除額を「ストック」しておき、黒字化した年度の法人税から差し引けるということです。赤字の年こそ、適用要件を満たしているかの確認を忘れないようにしましょう。

繰越控除を使う年度も「給与が前年度超」が条件

繰り越した控除額を実際に使う(控除する)事業年度では、その年度の雇用者給与等支給額が前年度を上回っていることが条件になります。繰り越したあとに給与総額が減ってしまうと、その年度では繰越控除を使えません。

また、繰越控除の適用を受けるには、確定申告書に所定の明細書を添付するなどの手続きが必要です。詳細な要件は国税庁のページで確認するか、税理士にご相談ください。

税理士田澤
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繰越控除は「赤字だから関係ない」と申告時にスルーしてしまうと後から使えなくなる可能性があります。賃上げをした年度は、黒字・赤字にかかわらず申告書での手当てが必要です。顧問税理士がいる場合は、賃上げの事実を必ず共有しておきましょう。

中小企業の設備投資減税①|中小企業経営強化税制の即時償却と税額控除10%

ここからは、賃上げとあわせて検討したい設備投資減税です。まずは節税インパクトが最も大きい「中小企業経営強化税制」から見ていきます。

中小企業経営強化税制とは?即時償却または税額控除10%(資本金3,000万円超は7%)

中小企業経営強化税制は、中小企業等経営強化法の認定を受けた「経営力向上計画」に基づいて一定の設備を取得した場合に、即時償却(取得した年度に全額を経費化)か、取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除のどちらかを選べる制度です。

適用できるのは、令和9年3月31日までの期間内に対象設備を取得して指定事業に使った場合です。税額控除の上限は調整前法人税額の20%(後述の中小企業投資促進税制と合計)で、控除しきれない分は1年間繰り越せます。

対象設備と最低取得価額|機械装置160万円以上・ソフトウェア70万円以上など

対象になるのは、生産性向上や収益力強化につながる設備で、類型ごとに要件が定められています。代表的なA類型(生産性向上設備)は、工業会等の証明書により一定の生産性向上が確認できる設備が対象です。設備の種類ごとの最低取得価額は次のとおりです。

対象設備の最低取得価額(1台・1基あたり)

  • 機械装置:160万円以上
  • 工具・器具備品:30万円以上
  • 建物附属設備:60万円以上
  • ソフトウェア:70万円以上

このほか、収益力強化のための設備(B類型)など複数の類型があり、類型によって要件・手続きが異なります。最新の類型・要件は中小企業庁の手引きで確認してください。

手続きの流れ|経営力向上計画の認定は設備取得前が原則

中小企業経営強化税制は、賃上げ促進税制と違って事前の手続きが必要です。A類型の基本的な流れは次のとおりです。

STEP 1 証明書の取得
メーカーを通じて工業会等の証明書を入手する(A類型の場合)。
STEP 2 経営力向上計画の申請・認定
主務大臣に経営力向上計画を申請し、認定を受ける。
STEP 3 設備の取得・使用開始
原則として認定後に設備を取得し、事業の用に供する。
STEP 4 確定申告
即時償却か税額控除かを選択して申告する。

原則は「認定を受けてから設備を取得」の順序です。先に設備を取得してしまうと適用できないおそれがあるため(例外的な取扱いもあります)、設備投資が決まったらできるだけ早く準備を始めることが重要です。

税理士田澤
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即時償却と税額控除のどちらが有利かは、その年度の利益水準と今後の見通しで変わります。「利益が大きく出た年は即時償却」と決めつけず、翌年度以降の税負担まで含めて比較するのがおすすめです。

中小企業の設備投資減税②|中小企業投資促進税制の特別償却30%と少額減価償却の使い分け

経営力向上計画の認定まで手が回らない場合や、対象から外れる設備の場合に検討したいのが「中小企業投資促進税制」です。少額の投資には少額減価償却資産の特例(経費40万円ルール)もあります。

中小企業投資促進税制とは?特別償却30%または税額控除7%

中小企業投資促進税制は、機械装置など一定の設備を取得した場合に、取得価額の30%の特別償却か、7%の税額控除を選べる制度です。税額控除を選べるのは資本金3,000万円以下の法人(と個人事業主)に限られます。適用期限は令和9年3月31日までです。

主な対象設備

  • 機械装置:1台160万円以上
  • 測定工具・検査工具:合計120万円以上
  • 一定のソフトウェア:70万円以上
  • 貨物自動車:車両総重量3.5トン以上

経営強化税制との違い|事前の計画認定が不要で使いやすい

中小企業投資促進税制の最大のメリットは、経営力向上計画のような事前の認定手続きが不要なことです。控除率などの条件は経営強化税制に劣りますが、「認定を受ける前に設備を取得してしまった」という場合の受け皿にもなります。

比較項目中小企業経営強化税制中小企業投資促進税制
償却即時償却(全額)特別償却30%
税額控除10%(資本金3,000万円超は7%)7%(資本金3,000万円以下のみ)
事前手続き経営力向上計画の認定が必要不要
適用期限令和9年3月31日令和9年3月31日

計画的な設備投資なら経営強化税制、手続きの時間が取れない・すでに取得済みの場合は投資促進税制、という使い分けが基本です。

30万円台の少額投資なら少額減価償却資産の特例(経費40万円ルール)

パソコンや備品など比較的少額の投資には、少額減価償却資産の特例があります。令和8年度改正で対象が1個40万円未満(改正前は30万円未満)に拡充され、年間合計300万円まで一度に経費化できます。40万円未満の資産はこちら、それ以上の設備は上記2つの税制、と金額で整理すると分かりやすいでしょう。

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経費40万円ルールの節税テク|PCや軽自動車を一括経費化する活用法

「30万円未満なら一発で経費にできる」という中小企業向けの特例ルール、令和8年4月から40万円未満まで広がったのをご存知でしょうか。これまで「あと数万円高いから減価償却するしかなかった」というパソコン ...

税理士田澤
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設備投資の減税は「どの制度を使うか」より先に「いつ取得して、いつ使い始めるか」で結果が決まることが多いです。決算月をまたぐ納品・稼働のスケジュールは特に注意してください。

投資額5億円以上の中小企業なら|特定生産性向上設備等投資促進税制の適用の流れ

令和8年度税制改正では、大型の設備投資を後押しする「特定生産性向上設備等投資促進税制」が新しく創設されました。中小企業にとってはハードルの高い制度ですが、工場の増設など大規模投資を計画している場合の選択肢になります。

特定生産性向上設備等投資促進税制とは?令和8年度改正で創設された新制度

この制度は、経済産業大臣の確認を受けた投資計画に基づいて機械装置や建物などを取得した場合に、即時償却か、取得価額の7%(建物・建物附属設備・構築物は4%)の税額控除を選べる制度です。税額控除の上限は当期の法人税額の20%で、控除しきれない金額は一定の法人について3年間繰り越せます。

投資計画には、設備の取得価額の合計が35億円以上(中小企業者等は5億円以上)で、年平均の投資利益率が15%以上見込まれることなどの要件があります。中小企業向けに下限が引き下げられているとはいえ、5億円以上の大型投資が前提の制度です。

適用の流れ|経済産業大臣の確認は令和11年3月31日まで

適用までの基本的な流れは次のとおりです。

STEP 1 投資計画の策定
取得価額合計5億円以上(中小企業者等の場合)・年平均投資利益率15%以上見込みなどの要件を満たす計画を作る。
STEP 2 経済産業大臣の確認
令和11年3月31日までに経済産業大臣の確認を受ける。
STEP 3 設備の取得・使用開始
確認を受けた日から5年以内に設備を取得し、国内の事業の用に供する。
STEP 4 確定申告
即時償却か税額控除(7%・建物等は4%)かを選択して申告する。

対象設備の最低取得価額は、機械装置160万円以上、工具・器具備品120万円以上、建物1,000万円以上などと定められています。

施行状況に注意|最新情報は経済産業省・国税庁で確認を

この制度は、産業競争力強化法等の改正法の施行の日から施行するとされており、国税庁の「令和8年度 法人税関係法令の改正の概要」(令和8年5月27日現在)の時点では、施行期日を定める政令は公布されていませんでした。実際の適用を検討する際は、経済産業省・国税庁の最新情報を必ず確認してください(本記事は2026年8月時点の情報です)。

税理士田澤
税理士田澤

5億円以上の投資となると、税制の適用だけでなく資金調達や事業計画の妥当性も含めた総合的な検討が必要です。この規模の計画では、早い段階から専門家チームを組むことをおすすめします。

賃上げ促進税制・設備投資減税の活用を税理士に相談すべきタイミング

最後に、これらの税制を実際に活用するうえで、税理士への相談が効果的なタイミングを整理します。

賃上げ促進税制は「決算前の給与設計」で結果が決まる

賃上げ促進税制は、決算を締めた結果として「給与総額が前年度比1.5%(または2.5%)以上増えていたか」で判定されます。決算後にできることは申告書での適用手続きだけで、要件そのものは動かせません。

だからこそ、決算の2〜3か月前に給与総額の着地見込みを確認し、「あと少しで2.5%に届くなら決算賞与を検討する」といった打ち手を考えられるかどうかで、結果が大きく変わります。決算前の利益調整とあわせて検討するのが効果的です。

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設備投資減税は「取得のタイミング」と「手続きの順序」で決まる

設備投資の減税は、経営力向上計画の認定を設備取得前に受けるのが原則であるなど、手続きの順序を間違えると適用できなくなるおそれがあります。また、適用期限(令和9年3月31日)が近づくほど、認定手続きや納品のスケジュールがタイトになります。

設備投資の計画が固まる前、「検討を始めた段階」で税理士に共有しておくと、使える制度の選択肢を最大限確保できます。

税理士田澤
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当事務所では、青森市近郊の法人様はもちろん、オンラインで全国の法人様の税務顧問・スポット相談に対応しています。「うちの規模でも使えるのか」という段階のご相談も歓迎です。

まとめ|中小企業の賃上げ促進税制と設備投資減税は期限から逆算して活用する

中小企業向けの賃上げ促進税制は、令和9年3月31日までに開始する事業年度まで使える税額控除で、給与総額1.5%増で15%・2.5%増で30%(くるみん等の認定で最大35%)を法人税額から控除できます。令和8年度改正で教育訓練費の上乗せは廃止されましたが、赤字でも5年間の繰越控除で活かせる点は中小企業ならではの強みです。設備投資には中小企業経営強化税制・中小企業投資促進税制(いずれも令和9年3月31日まで)があり、手続きの順序と取得のタイミングが結果を左右します。いずれも期限が区切られた制度なので、決算期から逆算して早めに準備を始めましょう。

税理士田澤
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