現金払いの領収書を、紙のまま机や封筒にためてしまっていませんか。
当事務所では、現金払いの領収書については、まずはGoogleドライブのドキュメントスキャン機能でデータ化しておく方法をおすすめしています。スマートフォン1台あれば、特別な機材がなくてもすぐに始められるのが大きなメリットです。
一方で、Googleドライブだけで電子帳簿保存法(電帳法)に完全対応するのは、個人事業主や小規模法人にとって現実的ではないケースもあります。本記事では、Googleドライブで領収書をスキャン保存する具体的な手順と、電帳法との関係、クラウド会計ソフトとどう使い分けるかまで、税理士の立場で整理しました。
※ 本記事は2026年5月時点の情報をもとに執筆しています。電子帳簿保存法は改正が継続している分野ですので、運用にあたっては最新の国税庁公表資料もあわせてご確認ください。
結論|Googleドライブは「領収書をなくさないための入口」として最適

Googleドライブで領収書をスキャン保存することの位置づけを、最初にはっきりさせておきます。
結論としては次のとおりです。
- 得意なこと:紙の領収書をスマホで撮って、なくさないようにクラウドに残しておくこと。
- 不得意なこと:電子帳簿保存法(スキャナ保存制度)の要件を、Googleドライブ単体で完璧に満たすこと。
つまり、「とにかく領収書をなくさない・あとから見返せる状態を作る」段階ではGoogleドライブが最適ですが、紙の原本を破棄してペーパーレスを完成させたい段階では、クラウド会計ソフトなど別の仕組みと組み合わせるのが現実的です。
本記事ではまずGoogleドライブでの具体的な保存手順を解説したうえで、電帳法との関係と、クラウド会計ソフトとの使い分けまでまとめていきます。
当事務所の対応範囲は、税務顧問契約のなかで領収書の保存・整理運用の設計をご一緒することです。Google Workspaceの管理者設定そのものは対象外となるため、必要に応じてIT専門業者を併用していただきます。
操作の流れを動画で確認したい方へ
Googleドライブアプリでの操作の流れだけを先に確認したい方は、以下の動画をご覧ください。テキストでの解説は、その下から読み進められます。
なぜ紙のままより「Googleドライブ保存」がおすすめなのか

紙の領収書をそのまま保管していると、次のような問題が起きやすくなります。
Googleドライブにスキャン保存しておくと、以下のように行動が変わります。
特に飲食代・交通費・消耗品など、1枚あたりの金額が小さく、件数が多くなりやすい現金払いには、相性の良い方法です。
「正しいフォルダ分け」より、「とにかく1枚も逃さず撮る」ことを優先しましょう。整理は後からでもできますが、なくしたものは戻ってきません。
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Googleドライブで領収書をスキャンする手順
スマートフォンにGoogleドライブアプリがインストールされている前提で、5ステップで解説します。インストールがまだの方は、以下のリンクからインストールしてください。
STEP 1:Googleドライブアプリを開き、「+」をタップする

画面右下の「+」ボタンをタップして、新規作成メニューを開きます。
STEP 2:「ドキュメントをスキャン」を選択する

メニューの中から「ドキュメントをスキャン」をタップします。カメラ起動の許可を求められた場合は許可してください。
STEP 3:領収書を撮影する

撮影時のコツは次のとおりです。
複数枚の領収書を連続でスキャンすることもできます。
STEP 4:内容を確認して保存する


スキャン結果を確認したら「保存」をタップし、保存先フォルダを選択して「アップロード」をタップします。
STEP 5:保存完了を確認する


サイドバーの「アップロード」または該当フォルダから、保存されたPDFを確認します。画像が鮮明に表示されること、金額・日付・取引先が読み取れることを必ず1枚ずつ目視チェックしてください。
これで、領収書はGoogleドライブ上にデータとして保存されます。
領収書を見つけやすくする保存・整理のコツ

スキャンしただけで放置すると、3か月後に「あの領収書どこ?」となります。あとから探せる状態を作るためのコツを3つ紹介します。
コツ1:ファイル名は「日付_金額_取引先」で統一する
Googleドライブのドキュメントスキャンで保存されたPDFは、初期ファイル名が「Scan_2026-XX-XX.pdf」のようになります。これを次のような形に手動でリネームしておくと、検索が一気に楽になります。
「日付(YYYYMMDD)_金額_取引先」の順にしておくと、ファイル名で日付順ソートができ、ドライブの検索窓で金額・取引先名のいずれからも検索可能になります。
コツ2:フォルダは年度・月単位で分ける
複雑なフォルダ分けは続きません。最低限、次の階層だけ作っておけば十分です。
「経費科目別フォルダ」「取引先別フォルダ」までは原則作らなくて大丈夫です。会計処理は会計ソフトで行うため、ドライブ側では「時系列で並ぶ箱」さえあれば十分だからです。
コツ3:必ず「カラー撮影」で残す
紙の領収書をスキャナ保存制度のもとで原本破棄したい場合、領収書のような「重要書類」はカラー撮影が要件です(256階調×3色以上)。
Googleドライブのドキュメントスキャン機能は、初期設定でカラー撮影になっています。ただし、保存時にモノクロ/グレースケールに切り替えるオプションもあるため、操作中に誤ってモノクロに変えないよう注意してください。
なお、原本を実際に破棄するためには、ファイル名・フォルダ運用だけではなく、後述する電子帳簿保存法の要件全体を満たす必要があります。
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Googleドライブだけで電子帳簿保存法に対応できる?

ここはご相談を受けることが多いポイントなので、はっきり整理します。
「電子取引」と「スキャナ保存」は別ルール
電子帳簿保存法には大きく3つの区分があり、Googleドライブの使い方は区分ごとに評価が変わります。
Googleドライブで「現金払いの紙領収書をスキャンして保存」する話は、原則としてスキャナ保存制度の領域です。
電帳法そのものの詳しい区分や中小事業者向けの特例は、別記事「電子帳簿保存法、最低限これだけ。中小事業者の「無料でできる」電子取引対策」でも解説しています。
Googleドライブ単体で要件を満たすのは難しい
スキャナ保存制度には、おおむね以下の要件があります。
このうちタイムスタンプ付与・訂正削除履歴の確保・検索機能を、個人で使う無料のGoogleドライブ単体で完璧に運用するのはハードルが高めです。Google Workspaceの上位プラン(Business Plus以上)でVault機能を使えばJIIMA認証下での運用も可能ですが、月額コストが大きく、個人事業主や小規模法人ではオーバースペックになりがちです。
重要:本記事は2026年5月時点の制度をもとにしています。電子帳簿保存法は改正が続いている分野なので、ご自身の運用にあたっては国税庁公表資料の最新版もあわせてご確認ください。
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紙の原本を破棄したいならクラウド会計ソフトとの組み合わせ

「結局、紙の原本を捨てるにはどうしたらいいのか」という質問に対する、実務上もっとも現実的な答えをお伝えします。
JIIMA認証のクラウド会計ソフトに集約するのが王道
freee・マネーフォワードなどの主要クラウド会計ソフトは、JIIMA認証(電子帳簿保存法の法的要件を満たしていることの第三者認証)を取得した「ファイルボックス」「証憑保存機能」を備えています。ここに領収書PDFをアップロードすれば、タイムスタンプ・検索要件・訂正削除履歴がほぼ自動でクリアされる設計になっています。
紙の領収書を実際に破棄するための要件と、ペーパーレス運用の流れは別記事「領収書は紙で保管しなくていい?スキャン保存×クラウド会計で実現するペーパーレス管理」で詳しく解説しています。
Googleドライブとクラウド会計の使い分け
実務では、次のような二段構えがおすすめです。
Googleドライブは「STEP A の入口」として優秀です。一方、最終的な保存場所はJIIMA認証のクラウド会計ソフトに寄せるのが、もっとも安全で楽な運用です。
クラウド会計ソフト導入前に整えておきたい環境
クラウド会計のメリットを最大限活かすには、会計ソフト単体ではなく、事業用カード・銀行口座・キャッシュレス決済など周辺環境の整備も大切になります。
詳しくは別記事「クラウド会計のメリットを最大限活かすために準備しておくもの」をご覧ください。
freeeとマネーフォワードのどちらが自社に合うかは、簿記知識の有無や事業規模によって変わります。
選び方は別記事「クラウド会計ソフトはどれを選ぶべき?freeeとマネーフォワードを税理士が比較」で整理しています。
当事務所では、Googleドライブの撮影フローからクラウド会計ソフトへの転送までを、顧問契約のなかで一緒に設計しています。「電帳法に対応したいが何から手をつければよいかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。
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領収書は紙で保管しなくていい?スキャン保存×クラウド会計で実現するペーパーレス管理
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Googleドライブで領収書を保存するときによくある質問
Q1. 無料のGoogleアカウント(15GB)でも足りますか?
A. 数年単位で運用しても、領収書PDFだけなら通常は15GBに収まります。1ファイルあたり数百KB〜2MB程度のため、年間数百〜千枚を保存しても数GB単位の消費に留まるケースがほとんどです。とはいえ、写真・動画・Gmail等と同じアカウントを併用していると枯渇しやすいので、事業用のGoogleアカウントを別に作って分離するのがおすすめです。
Q2. スマホで撮ったあと、Googleドライブの検索でちゃんとヒットしますか?
A. ファイル名に日付・金額・取引先を入れておけば、ドライブの検索窓から問題なくヒットします。ファイル名を「Scan_2026-XX-XX.pdf」のままにしてしまうと、後から「7月のスタバの分」のような探し方ができなくなります。撮影後、その日のうちにリネームする運用を強くおすすめします。
Q3. 紙の領収書はいつ捨てていいですか?
A. Googleドライブに撮っただけでは、紙の原本は捨てないでください。電子帳簿保存法のスキャナ保存制度の要件をすべて満たした保存(タイムスタンプ・検索要件・訂正削除履歴等)を行ったうえで、画像が鮮明に保存されていることを目視確認した時点ではじめて、紙の原本を破棄して差し支えなくなります。
Q4. メールで届いたPDF領収書もGoogleドライブに入れていいですか?
A. 入れること自体は問題ありませんが、それは「電子取引」のデータなので、紙領収書とは別ルール(電子取引の保存義務)が適用されます。電子取引のデータは原則として「受け取った形のまま」保存する必要があり、印刷して紙で残し、元データを消すといった運用は2024年1月以降、原則として認められていません。
Q5. 法人の経費精算でGoogleドライブを使うのは現実的ですか?
A. 複数人で領収書をやり取りする規模になると、Googleドライブだけの運用は管理コストが上がっていきます。社員数が増えてきたら、JIIMA認証取得済みの経費精算システムや会計ソフトの証憑保存機能に集約していくほうが、検索性・改ざん防止・税務調査対応のいずれの面でも安定します。
最後に|まずは「なくさない」、次に「ちゃんと残す」体制へ
現金払いを完全になくすことは難しくても、領収書の管理方法を「紙のまま机に置く」から「Googleドライブにすぐ撮る」に変えるだけで、月末の経理作業や税務調査時の確認は大きく楽になります。
そのうえで、紙の原本を捨てて完全にペーパーレス化したい場合は、Googleドライブを入口に、JIIMA認証のクラウド会計ソフトを最終保存場所にする二段構えが、個人事業主・小規模法人にとって現実的な落としどころです。
当事務所では、クラウド会計・オンラインを前提に、無理のないペーパーレス運用の設計(保存場所の整理、業務フローの見直し、必要なソフトの選定支援)を顧問契約のなかでご一緒しています。
Googleドライブで領収書をデータ化できるようになったら、次は「クラウド会計と連携して経理を自動化する」段階です。事業規模・簿記知識・既存の業務フローによって、freeeとマネーフォワードのどちらが合うかは変わるため、まずはご自身の状況に合うソフトを比較したうえで導入を判断するのがおすすめです。当事務所はオンラインでも導入相談を受け付けています。具体的な料金や対応範囲はサービス・料金表をご確認のうえ、青森県外の方もお気軽にご相談ください。
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