遺産分割協議とは?

節税・税務の考え方

遺産分割協議とは?進め方・必要書類・注意点をわかりやすく解説

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税理士 田澤壱高

青森市を中心に活動する、ひとり税理士です。 クラウド会計・オンラインでのやり取りを基本とし、 記帳や資料管理の手間をできるだけ減らすことを大切にしています。 完全なペーパーレス運用を目指しながら、 経営判断に集中できる環境づくりを支援します。

相続では、相続人が複数いる場合、誰がどの財産を引き継ぐのかを決める必要があります。その話し合いを遺産分割協議といいます。

預貯金、不動産、有価証券などをどう分けるかは、相続人全員で話し合って決めるのが基本です。

遺産分割協議そのものには一律の法定期限はありません。ただし、相続税申告や不動産の相続登記には期限があるため、実際には早めに進めることが大切です。

この記事では、遺産分割協議とは何か、どんなときに必要か、一般的な流れ、遺産分割協議書の役割、注意点を、初めての方にもわかりやすく解説します。

遺産分割協議とは?

遺産分割協議とは、相続人全員で、亡くなった方の財産をどう分けるか話し合うことです。

たとえば、預貯金を誰が受け取るのか、自宅や土地は誰が引き継ぐのか、株式や車はどうするのか、といった内容を決めていきます。

税理士田澤
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相続人が複数いる場合は、原則として相続人全員で合意することが必要です。

遺産分割協議・・・相続人全員で、亡くなった方の財産をどう分けるか話し合うことです。

遺産分割協議はどんなときに必要?

遺産分割協議が必要な場合とは?

相続人が1人だけなら不要なことが多い

相続人が1人だけであれば、誰が財産を引き継ぐかを話し合う必要は通常ありません。

相続人が複数いる場合に必要

配偶者と子、子が複数いる場合、兄弟姉妹が相続人になる場合など、相続人が複数いるときは、誰がどの財産を取得するかを決める必要があります。

相続税申告や名義変更の前提になることが多い

遺産分割協議の結果は、預貯金の解約、不動産の相続登記、相続税申告などの手続にも関わってきます。

遺産分割協議で決めること

誰がどの財産を取得するか

預貯金、不動産、株式、自動車など、どの財産を誰が引き継ぐのかを決めます。

借金や未払金をどう整理するか

相続では、プラスの財産だけでなく、借金や未払金なども確認が必要です。財産全体を見ながら整理していくことが大切です。

代償金を支払うかどうか

たとえば、自宅不動産を1人が取得する代わりに、他の相続人へお金を支払って調整することがあります。これを代償金といいます。

代償金・・・特定の相続人が不動産などを多く取得する代わりに、他の相続人へ支払うお金のことです。

遺産分割協議に期限はある?

遺産分割協議そのものには、一律の法定期限はありません。

ただし、だからといって後回しでよいわけではありません。相続税申告が必要な場合は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に申告と納付を行う必要があります。

また、不動産を遺産分割で取得した場合は、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容に応じた相続登記が必要です。

税理士田澤
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そのため、実務上はできるだけ早めに遺産分割協議を進めることが大切です。

遺産分割協議の一般的な流れ

遺産分割協議の流れ

STEP1|相続人を確定する

まずは戸籍を集めて、誰が相続人なのかを確認します。相続人が1人でも欠けた状態で進めると、後でやり直しになることがあります。

税理士田澤
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相続人の調べ方は、以下の記事で解説しています。

相続人の調べ方
相続人の調べ方|戸籍の集め方と必要書類を税理士がわかりやすく解説

相続手続きを進めるうえで、最初に確認しなければならないのが「誰が相続人になるのか」です。 相続人が確定しないと、遺産分割、不動産の名義変更、預貯金の解約、相続税申告など、その後の手続きを進めにくくなり ...

STEP2|財産と債務を整理する

預貯金、不動産、生命保険、株式、借金など、相続に関係するものを整理します。

税理士田澤
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相続財産になるもの・ならないものを確認したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

相続財産になるもの・ならないもの
相続財産になるもの・ならないもの一覧|相続税の対象をわかりやすく解説

相続というと、預貯金や不動産を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、相続税の対象になるものはそれだけではありません。 たとえば、生命保険金や死亡退職金は、亡くなった方が直接持っていた財産 ...

STEP3|相続人全員で分け方を話し合う

誰が何を引き継ぐのかを相続人全員で話し合います。不動産がある場合は、平等に分けにくいため、調整が難しくなることがあります。

STEP4|遺産分割協議書を作成する

話し合いで決まった内容を書面にまとめます。これが遺産分割協議書です。

STEP5|名義変更や相続税申告へ進む

協議内容がまとまったら、不動産の相続登記、預貯金の解約、相続税申告などの手続へ進みます。

遺産分割協議書とは?

遺産分割協議とは?

遺産分割協議書とは、遺産分割協議で決まった内容をまとめた書面です。

不動産の相続登記や金融機関の手続では、遺産分割協議書の提出が必要になることが多いため、実務上とても重要な書類です。

遺産分割協議書に書くこと

  • 誰の相続についての協議か
  • 相続人が誰か
  • どの財産を誰が取得するか
  • 作成日
  • 相続人全員の署名押印

なぜ必要なのか

遺産分割協議書があると、後から「言った・言わない」の争いを防ぎやすくなります。

税理士田澤
税理士田澤

相続登記や預貯金の解約手続でも必須になります。

遺産分割協議がまとまらないとどうなる?

相続税申告で不利になることがある

相続財産が分割されていない場合でも、相続税の申告期限は延びません。未分割のまま申告すると、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などが当初申告で使えないことがあります。

不動産や預貯金の手続が進みにくい

誰が取得するか決まっていないため、不動産の名義変更や預金解約の手続が進めにくくなります。

家庭裁判所の手続に進むことがある

相続人同士の話し合いでまとまらない場合は、家庭裁判所での調停や審判に進むことがあります。

税理士田澤
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相続人同士で揉め事になるケースもあります。そういった場合は弁護士等の専門家を紹介します。

遺産分割協議で注意したいポイント

相続人全員で行う必要があります

相続人が1人でも欠けると、遺産分割協議が問題になることがあります。まずは相続人を正確に確認することが大切です。

不動産は税金面も見て決めた方が安心です

不動産は、誰が取得するかによって相続税額が変わることがあります。小規模宅地等の特例など、税務面の確認が必要になることもあります。

感情だけで進めないことが大切です

遺産分割協議は感情的になりやすい場面ですが、財産の内容や手続の流れを整理したうえで進めた方が、後のトラブルを防ぎやすくなります。

特別な配慮が必要なケースもあります

未成年者や判断能力への配慮が必要な相続人がいる場合は、通常とは異なる手続が必要になることがあります。

当事務所で対応できること

当事務所では、遺産分割協議そのものの代理交渉は行っておりませんが、相続税申告が必要かどうかの見通し確認や、遺産分割と相続税の関係についてのご相談に対応しております。

特に不動産がある場合は、分け方によって相続税額が変わることがあるため、早めに税務面も含めて確認しておくことが大切です。必要に応じて司法書士や弁護士等の専門家をご紹介いたします。

税理士田澤
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相続税についての相談もオンラインで受け付けております。

まずは以下のボタンからお問い合わせください。相続税の料金表はこちら。

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遺産分割協議とは?まとめ

遺産分割協議は、相続人全員で遺産の分け方を決める話し合いです。

一律の法定期限はありませんが、相続税申告や相続登記には期限があるため、実際には早めに進めることが大切です。

一般的には、相続人の確認、財産整理、話し合い、遺産分割協議書の作成という順で進めていきます。

特に不動産がある場合は、手続だけでなく税金面も考えて進めた方が安心です。迷ったときは、早めに全体像を整理しておくことをおすすめします。

税理士田澤
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相続税申告までの全体の流れを確認したい方は、こちらの記事をご覧ください。

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